えんがわだいすき

社会人腐女子が日常生活の中で感じたことのメモ。

人のイキザマについて

f:id:chaospace:20181208232801j:plain

キャストさんのサイン

先日「イキザマ3」という舞台を見に行きました。

risuproduce.s2.bindsite.jp

面白い、という言葉だけでは片付けられない「熱気」と「圧」をもらいました。

以下、わたしなりの感想。

実際の応援団の迫力そのもの

キャストは明治大学応援団の方と共に鍛錬もされていました。

www.kisc.meiji.ac.jp

とはいえ、この合同練習が無くてもおそらく素晴らしい応援団クオリティだったのだと感じます。

実は私が観劇した当日、その応援団の学生さんたちがいらしていました。
舞台上の役者に対して「そうだ!」とかそういう掛け声をこれまた客席の後ろの方から圧倒されるボイスで届けてくれていたので「そういう演出なんだな〜」と思っていたら実は違った!という!笑
たまたま来ていただけなのでたまたまそれが演出のようになって、たまたまその回に私がいたという…
この回、とても貴重だったと思います!主演の石原壮馬くんも「いつもとは違った舞台で面白かった」と言っていました。

話を戻します。
お話の冒頭は大学の新入生部員勧誘のパフォーマンスから。
始まった瞬間、応援団コールは始まります。

そして受ける圧!!!!!!圧!!!!!めっちゃ熱!!!!!!!!!!

率直な感想はこれです。
圧がすごい。圧倒されました。
開始5分も経たないうちに舞台上へ釘付けになったわたしは瞬きも忘れて見入っていました。
実は口も開いたまま塞がらなかったという…

なんかこう、すごい迫力が出せる低音がよく響くドカドカ言うスピーカーから
「頑張れ!」「頑張れ!」
って声がめっちゃ聞こえてきて直に浴びてる感じです。

伸ばされた腕がキレッキレ。みんな腕の筋肉がめっちゃついてる。やばい。
太鼓を叩いている方なんて凄い勢いで叩くものですから、だんだん太鼓が前に出てきちゃってました。それだけ力強い音。

すごかった。息ができなかった。

面白い、じゃ片付けられない

ストーリーはザ!王道物!なのでスッキリした気持ちで終われました。
でもこの「スッキリ」はあくまで最後まで見たお話の展開についての感想であって、途中で受けた役者の圧とか熱気とか気合いとか迫力とか熱意とか必死さとかがむしゃらさとか悔しさとか、そういう、全部、全部の気持ちを「面白かった」の一言で片付けたら何だかもったいないなと思いました。

いやね、とにかく熱い!!熱いんですよ!!!観ながら火傷するわ!!!!!

じゃあこの私が受けた感情を「面白い」ではない言葉で表現すると一体何なんだろうか…と思うと、適切な言葉は見つかりません!さっき並べた単語を全部並べるしかない気がします!

熱気はもちろん、コメディ色も強くてわたしはとても好きでした。シュールギャグがツボなので何度も何度も堪えきれず「アハハ」と声を上げて笑いました。

※「押忍!」という単語だけで喜怒哀楽の感情表現ができるくだり、本当に皆さん感情表現が伝わってきて感心しました

人間変わろうと思えば何時だって何歳だって変われる

観ている間に何度か泣きました。
劇中にキーパーソンは二人います。
ネタバレを含みながら語るので内容を踏みたくない方は読み飛ばしてください。

野瀬(演:石原壮馬):大学一年生。昔いじめを受け殻に閉じこもり、自分自身のありのままをさらけ出せず、なんとか自分を変えたいと思って応援団に入る

岩田(演:松本匠):40歳オーバーの大学一年生。小さい頃から応援団に憧れて高校生のときに入団するものの、引越しで止むを得ず応援団をやめることに。社会人経験を経て再度大学へ行き応援団に入る

と、書くと「この二人…何か裏があるな?」感凄いですよね。
公演の説明資料にも
「野瀬には今まで誰にも話すことが出来なかった事実がある」
「岩田にも団員達には知られてはいけない衝撃の事実が…」
と記載されていました。

二人が隠していたこと

野瀬の場合

野瀬は「男である自分の恋愛対象は男である」という事を隠して生きてきました。
宮本(演:岩田華怜)に「どこでバイトしてるの?」と聞かれます。
「新宿」「バー」という回答が返ってきます。
ここで察しのいい人は気づくのですが、Mくんは普通にスルー。後々野瀬が「岩田と宮本になら話せるかもしれない」と思い、自分がこういう人間だと伝えるシーンで
新宿二丁目のバー」
「自分がおかしいのかとおもって迷っていた時にたどり着いた」
「バーのマスターに拾ってもらった」
と話します。

Mくん「ハッ…!名古屋でいう錦とか女子大小路あたりのバーだ…!」

Mくん、いつか「ゲイバーによく行く話」という記事を書こうと思っていたので、今回この劇を見て早めに書きたいと思った所存です。
ゲイバーの店子くん達の口からはよく野瀬くんと同じことを聞いていました。演技を見ながら状況の想像がしやすかったです。
たまたま好きになる人が男なだけで、特に気にすることはないと私は思うのですが、なかなか世間はそうもいかないこともよくわかります。

野瀬はさらけ出せなかった隠し事を宮本と岩田に話せた時点で「彼の中で何かが変わり始めている」と感じながら観劇できました。

彼は先輩の卒園式のとき、自分が嘘をついていたこと(バイトはスーパーのレジ打ちと言ってしまった)、自分はどういう人間で、何が好きで、何を変えようと入団したのかをみんなに伝えようとします。
すると先輩達は「知ってる」と一言。岩田が伝えてくれたそうです。だから、部員みんな「野瀬がどういう人なのか」を知った上で仲間の一人として接していた。野瀬は「自分自身を受け入れてもらえていた」という顔をします(わたしにはそう見えた)

ここは、自分のことなので本人の口から伝えたかった気持ちもあるだろうなぁとは思えど、言えなかった野瀬を代弁してくれた岩田はきっと野瀬の事を悪くは言わないし、野瀬を思って伝えてくれているのだろうとも思いました。
岩田がみんなにどんな風に話したのか…というシーンも見たかったなぁ。

岩田の場合

実は体に病を患っていて、余命も長くない。
そんな岩田が「生前やり残したことはあるか」と聞かれた時に出たのは「応援団をやめざるを得なかったこと」でした。
高校時代に悔いが残っている、だからこそ必死に勉強して大学に40歳超えた今入学し、応援団に入ったのです。

彼は「腰痛」で度々練習を休み始めます。その腰痛は嘘で、持病による入院や通院であったとOBの先輩から聞いた応援団の四年生。岩田の体調を考えて彼だけ夏合宿への参加を取りやめようとします。(元々は雑用をやることで合宿に行くことを許可していた)
野瀬と宮本は岩田の事情は知らないけれど彼が「何かをしたくて応援団に来た」「応援団にいたい」という気持ちだけは十分にわかっていたので先輩に逆らってはいけないという掟を破って土下座までして不参加を取りやめようとします。結局それは叶わず、岩田はそのまま本格的に闘病生活に入り最後には息を引き取りました。

岩田の「行かせてください」
野瀬と宮本の「行かせてあげてください」
のシーンでは岩田、野瀬、宮本、先輩たちの色んな感情が渦巻いていて苦しくて涙がじわりとこみ上げてきました。

夏合宿では、野瀬と宮本へ岩田の事情を話し、岩田へみんなでエール(応援団劇)を送ります。
岩田自身、夏合宿に行きたかった、そこは悔いになるかもしれないけれど、みんなと切磋琢磨してぶつかり合って、自分が団員の一人としていれたことには悔いは無いのではないかなぁと思います。
(もしかしたら夏合宿のくだりで岩田は「自分の事情を知っているのかも」「自分のことを思って止めようとしてくれたのかも」と思ったかもしれない)

「〜したい」と強く思うこと、自分に自信を持てること

それさえあればどんなことだってできる。
そう思いました。

タイミング、とか、何歳、とか、そんなの関係がなくて、やろうと思ったらいつでもやれる。
踏み出す一歩さえあれば!何だってできる!

最後、宮本が「やろうと思えばやれる」「変わろうと思えば変われる」ことを語ってくれます。そこでまた色々な感情が込み上げてきて涙が出てきました。

冒頭で先輩達が
「実は彼は男が好きで」「というのは冗談で」
と言っていたシーン。
ラストに宮本と野瀬で同じくだりをやります。
「実は彼は男が好きで」「本当だからな」
あれは伏線だったのか…!
その時顔を見合わせ目配せした二人は、一皮向けて大きくなっているように見えました。

主演の二人

石原壮馬くん(役:野瀬)

始まった直後の前かがみで自信なさげ〜な演技、かなりうまかったです。
押忍!と言うシーンも最初の方は体が縮こまっていて姿勢が悪い悪い。この公演内で壮馬くんささらに筋肉を鍛えていらしたので肩と胸周りはガタイがいい。のに前かがみの演技。
「こんなに陰な空気なのに体当たりされたらめちゃくちゃ強そう」
というギャップがまた良かったです。
この公演で、彼のいろんな感情表現の演技が観れたなぁと思います。
泣きの演技は本当に泣いていらして
「泣いてる…」
と思いました(語彙力がなくてすみません)
あまり喋らないタイプなので「行動」「姿勢」「仕草」「表情」で語ってきます。中でも表情は良く表現できてるなぁと感じました。
前から3番目という近い席でよかった…

oO(OBの薬剤師先輩が繰り広げるギャグアドリブ。周りのメンバーはこらえきれず思わず笑みを見せていた中、壮馬くんだけビクとも笑わなくて「徹底してる…すごい…」となりました)

岩田華怜ちゃん(役:宮本)

見た目の第一印象は「可愛い」!!!!!
華怜ちゃん可愛い!!!!
このお芝居、華怜ちゃんが演じた宮本は何も闇を抱えていません。
だからこそ宮本という役が必要不可欠。宮本がみんなの手を取ってくれていて、太陽のように見えました。
華怜ちゃんの感心したところは声の出し方。押忍!と言うシーン、トレーニングのシーン、応援中腹から声を出すシーン。
序盤と終盤では声の出し方が全然違い、変わりようがすごかったです。
終盤の華怜ちゃん、応援中の腹から出す声が本当に重みがあってドスが効いているというか…グサグサっと刺さる勢いがありました。
「女性でもこんな風に声が出せるんだ!」
と驚き。かっこよかった!

やっぱり舞台は面白い

舞台って生き物だなぁ…と思います。
同じ演目でも毎日違うことが起こるし、円盤で見るのと現場に行って見るのでは全く違う。
今回のイキザマ3は圧倒的に「現場で見るべき演目」だと思います。
あんな「圧!!!!!!」みたいな空気、DVDからじゃ実際の半分くらいしか感じれないのでは!?!?!?と思います。

残すところ千秋楽のみでしょうか(本日12/8です)。
当日券あるなら是非みんな行ってみてほしい〜!
押忍の精神!ぶつけられてほしい!

f:id:chaospace:20181208235232j:plain

公演を成し遂げる途中のイキザマ達磨

余談:夜行バスで帰宅し、テレビをつけたMくん。12/8放送のシンカリオンが応援団ネタで「タイムリーすぎん!?」となった土曜の朝7時。